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肝炎に感染するのは歯科医院での治療にも原因があります

      2015/11/21

肝炎に感染するのは歯科医院での治療にも原因があります

意外に思われるかもしれませんが、実は歯科医院での治療でも肝炎に感染する可能性があるのです。

歯と肝炎という意外な組み合わせのウラには複雑に入組んだ問題点が潜んでいます。

今回は、歯科治療で肝炎に感染する仕組みとその背景を紹介しましょう。

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歯科治療で肝炎に感染する仕組み

歯科治療で肝炎に感染する仕組みには、2つの要因があります。歯科治療のときに使う麻酔薬の使い回しと、カートリッジ式になった麻酔薬です。

肝炎が感染するのは、経口感染と体液感染の二つです。つまり、歯科治療にきた患者が肝炎に感染していれば、麻酔薬を注射するときに患者の唾液や体液がその注射器に付着してしまいます。それを、別の患者に使い回しすれば肝炎に感染することになります。

このときに問題になってくるのが、麻酔薬がカートリッジ式になったことです。カートリッジの底はシリコンゴムでできており弾力性があります。麻酔薬を注射した後に力を抜くと、この弾力性が災いしてシリコンゴムは元の状態に戻ろうとします。そして、その力で患者の血液が注射器の中に逆流してしまうのです。

ここで、疑問に思うかもしれません。たとえ注射器のなかに患者の血液が逆流したとしても、それを使い回ししなければ済むだけの話ではないかと。確かに、その通り。しかし、そこにはある理由があるのです。

歯科治療で肝炎に感染する背景

歯科医が麻酔薬を使い回しするのには、ある事情があるのです。

一般に、医師が薬を処方すれば診療報酬を受取ることができると考えられています。そのため、時には薬の過剰投与が医療費の高騰を招いています。これと同じように、麻酔をすればその分の診療報酬を受取ることが出来ると考えるのは自然なことです。

しかし、現実はそうではありません。そこには現代の医療問題の一端を垣間見ることができます。実は、診療行為のために使った麻酔は診療報酬を請求できないのです。麻酔薬も安いものではありません。歯科医の多くは街の歯医者さんとして独立開業しています。つまり、高価な麻酔薬を使えば使うほど、病院の経営を圧迫することになるのです。

だからといって、麻酔薬を使い回ししていいという理由にはもちろんなりません。麻酔薬を巡る医療制度は性善説に基づいています。つまり、診療報酬を与えなくても、まさか麻酔薬を使い回しすることはないだろうと。しかし、それには綻びも見えてきました。そろそろ見直してもいいころではないでしょうか。

すべての患者が肝炎に感染するわけではない

一部の不心得な歯科医が麻酔薬を使い回しして、不幸にも肝炎に感染している患者の血液が体の中に入ったからといって、全員が肝炎に感染するというわけではありません。

肝炎のウイルスは寄生虫のようなものです。つまり、寄生するものがなければ生きてはいけないのです。カートリッジの麻酔薬のなかに入った肝炎のウイルスにとっては寄生するものがありません。当然、麻酔薬に寄生するわけにいきません。そのため、しばらくすると肝炎のウイルスは死んでしまうのです。

それにも関らず、肝炎に感染してしまうということは、肝炎のウイルスが生きている間に別の患者に麻酔を注射したということでしょう。つまり、肝炎になっている患者に麻酔薬を注射し、その次にきた患者に麻酔薬を使い回ししたということです。

当の患者はそんなこと夢にも思わないでしょう。まさか、歯科医が麻酔薬を使い回し、その結果、自分が肝炎に感染してしまうなどということは。考えてみれば恐ろしいことです。

感染しやすい肝炎の種類

肝炎は、A型、B型、C型の3種類があります。テレビのニュースなどで耳にした人も多いでしょう。

A型は、主に口から感染します。慢性化しません。したがって、重症になる確率は低くなっています。

一方B型は、体液で感染します。先のように麻酔薬に逆流した血液で感染します。これはA型と違って慢性化する可能性があります。しかし、正しい治療でB型肝炎は治ります。また、自然に治る場合も少なくありません。

C型は、主に血液で感染します。したがって、麻酔薬に逆流した血液で感染することになります。C型は慢性化します。ときには、肝硬変になり肝がんになることもある恐ろしい病気です。しかも、C型にはワクチンがありません。そのため、C型肝炎を予防することはできないのです。不幸にして、C型肝炎に感染したら、慢性化しない、肝硬変にならないようにすることが重要です。

虫歯の治療にきたのに、一部の不心得な歯科医の麻酔薬の使い回しでC型肝炎に感染し、肝がんになってしまったら目も当てられないでしょう。

肝炎感染予防のための講習会

エイズが問題になったころ、厚生省と歯科医医師会の主催で講習会が行われました。それは、全ての医療機関の参加が義務付けられていました。その講習会では、先に説明したカートリッジ式の麻酔薬による血液逆流も取り上げられました。したがって、若い歯科医はもちろん、年配の歯科医もそのことは知っているはずなのです。

まとめ

このように、歯と肝炎という意外な組み合わせのウラには複雑に入組んだ問題が潜んでいました。いまは、麻酔薬の使い回しをする医療機関はないと信じたいところです。しかし、ニュースにもなるように、診療報酬を不正請求するという不心得な医師はあとを断ちません。

診療報酬を不正請求してカネを騙し取るのならまだしも、麻酔薬の使い回しは患者の命に関る重大な問題です。麻酔薬の診療報酬に関しては、性善説に立っている今の医療制度にも綻びが見えはじめました。正当な医療行為には正当な診療報酬を支払うような制度に見直す時期にきています。

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